回想:クリスマス最終便

 23,2015 22:00

最終便の船が着くと、操舵室から船長が荷物を持って出てきた。

荷物の箱には「取扱い注意ケーキ」と書いてある。

艀をしている船の綱取りのオジサンは色々な伝票と一緒に船長からそれを受け取り
『おう!息子がらケーキ来たぞ』
と言いながら、桟橋まで荷物を取りに来たお婆さんに渡す。

『美味そうだな、俺にもごっつぉうすろ』
とからかうと
『大っきくて食べきれないからごっつぉうすっから』
と笑いながら切り返す。
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島では節分や七夕や菖蒲湯などなど和風のイベントは完ぺきに律儀にやっているけれども、子供のいない家庭がほとんどの島ではクリスマスは無縁な存在。

11月頃から障子の張替や年越しの掃除は始まるけど、12月に入ってもクリスマスツリーは登場しない(*1)

小さな商店でもお年越し正月の準備用品は売っているけれども、クリスマス関連は完ぺき無し。勿論ジングルベルも山下達郎も勿論マライヤキャリーも・・・

だけどクリスマスの日の石巻からの船には、クリスマスケーキが乗せられて来るのです。

(島が好きだから、一人暮らしになっても島に住んでいたいと思っているお母さんへ・甘いのが好きな家族へ島に売ってないケーキを・やっぱりクリスマスだからせめてケーキでも・・・・)

今年もまたクリスマスのケーキが届くのでしょう、石巻やその近隣に住む島の子供たちや孫たちの思いも箱に詰めて
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(*1)島でも病院や小さな子供の居る家庭ではクリスマスツリーも飾ると思いますが、ほんの数える程です。
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