舟遊びの続編 更に不運が、、

 12,2008 08:09
水没を免れた小舟は岸を背にして、再び進んだ。佐渡島を越えて、小長渡の小湾に入った時、『漕いでみるか?』と船頭役の同級生に誘われた。一旦断ったのだが、簡単なんだからと皆に勧められるので、その気になって代わってやってみたら意外と簡単だった。

で曲がる時はどうするの?って聞いたら、こうやるんだよと言って、操作を見せてくれた。ふむふむ。櫓は前後に押したり引いたりするように交互に漕ぐのだが、片方にだけ漕げば、曲がるという単純な操作なのだ。更に小さい回転半径で曲がりたい時はそのストロークを強く長くすれば、急激に曲がれるだ。

しかし、運が悪い時は絶妙のタイミングでアンラッキーが重なる。

丁度この曲がり方を伝授してもらっている時、3時半の友福丸が小長渡の沖を通過したのだ。
 通過後暫らくしてその横波が数波小舟の脇っ腹に到達したのだが、不運にも舟は岸の近いところに居たので、水深が浅くなった部分で急激にエネルギーを増した波は、予想以上に成長し、小舟を簡単に裏返してしまったのだ。

ズボンびしゃびしゃどころではなく、着衣水泳大会である。それも水温が低い春先の。更に個人的に不運が加算された条件は、殆ど泳げなかった事。着衣水泳は危険なのに、更に泳げないのだ。皆は舟から投げ出されても、笑ってははしゃいで居たけれど、まだ泳げを覚えていない農家の子にとっては、生きた心地がしなかった。

この後全員で舟を起こし、再び乗り込んで水をかき出したまでは覚えているのだが、しかしそれ以降の記憶が全くない。どのコースで帰ってきたのか、どうやって舟を陸戻したのか、、、、。家に帰ってからずぶ濡れを怒られた記憶もないし、学校に言って先生から注意された記憶も無い。
 でも唯一覚えているのは『今日のことは絶対内緒だからな!』っていう全員での約束。私にとっては危険な遊びのジャンルに見えたのですが、漁師の子達にとっては想定内の出来事だったのでしょうね。
imgkobitawatasi.jpg
転覆の現場は小長渡浜とただわきの浜の間で、写真で言うと左側の岩場が少し出た部分のすぐ前。今でもここを見るたびに必ずあの日の事を思い出しますが、でも不思議なのは悪夢として甦るのではなく、懐かしく感じること。不思議ですね。あっ!ここで書いちゃいましたが、あの約束は、もう時効ですよね。  完!

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