今シーズンの薪

 01,2012 01:43
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今年の薪ストーブの薪は流木。流木と言っても素性がしっかりした輸入外材で、石巻のパルプ工場の原料として輸入した杉や松で津波によって流失したもの。あちこちの海岸に漂着したように島にも流れ着いた。この流れ着いた木材は瓦礫撤収隊によってチェンソーで動かせる大きさに切断され瓦礫置き場に運ばれた。

震災直後にこれを燃料用に玉切りして運んだ人も居たが、時期が時期だけに津波に便乗したチャッカリした行動にも取られ批判の声もあった。どう考えても瓦礫を処分しながら再利用するのだから悪い事は無いはずで、確実に一石二鳥の筈でしたが、やはりタイミングだけの問題だったのでしょう。

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その後瓦礫はドンドンたまり、震災地の瓦礫の処理問題が大きな課題となってきて、流木や木材を処理する行動も世間からチャッカリとした行動と扱われなくなり、むしろ歓迎されるべき行動にさえ変化してきたので、小心者の私も堂々と瓦礫置き場から燃料として木材を運び出せるようになったと言う次第。(木材運搬への出足が遅かったので節の多い部分や巨木サイズが多く、若干運び出しに手間が掛かるのも否めませんが・・)

さてパルプから流れ着いた木材を薪にすると、数少ないが先端が丸く丸まった物が出来ます。それは長い木材の先端部分でどこかに衝突し擦れて丸まった部分のもの。石巻の工業港から流失したパルプの木材は群れとなって仙台湾を彷徨い島まで流れ着いたのだろうが、ただ単に海を彷徨ってきただけではなく、家屋や車や様々な構築物に衝突してそれらを破壊してきた前歴ももっていた。

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津波の直後に石巻の河口部分に係留していたヨットが津波で近隣の家に衝突し破壊したのは、ヨットが悪いという批判も起きたらしいが、これと同じ様に前述のパルプの木材も多くの家屋を破壊した事実があり、『あの材木が来なかったら家は壊れなかったのに』と呟いたのを耳した事がある。まあそれは事実としても何れにせよ悪いのはヨットやパルプの木材ではなく津波である事を感情はどうあれ承諾しなくてはいけないのだが・・・

私の姉の家も津波にあい被害を受けた。テレビのアンテナを直しに行った折に目に付いた屋根の雨どいが壊れた原因は何かと聞いたら、プカプカ浮かんで来た車が何回か衝突したせいとの事。そういえばその証拠のように雨どいには車のフロントガラスの破片が沢山詰まっていたが、これも悪いのはプカプカ浮かんだ車ではなく津波のせいの筈であり、車がぶつかってくるのを想定して作っていない雨どいのせいでもない。

同じ様に津波が何時来ても大丈夫なように多くの木材を固定したり、岸壁から決して離れないようにヨットをロープで固定したり、地面から逃げないように車を固定するとか・・・ともかく地面の上にある全ての物を流失しないようにする事は不可能な事である。

このように流失した物で被害を受けたケースも多いけれど、逆に波間に漂う大量の発泡スチロールやパルプの木材、破壊された家屋の木材などにつかまって一命を取りとめた例も少なくなかったらしく、何が災いになり何が幸いになるかは時と場合によって変わってくる。

『お前は何処で生まれて、何処を彷徨いここまでたどり着いたのだ?』と時折問いながら掴んだ薪を焚き口に放り込んでおります。
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